大和ハウス工業株式会社

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取材協力:alterna

大和ハウス工業は、持続可能性を目指した技術革新に取り組んでいる。
その取り組みを紹介する第1回として、太陽光発電と家庭用リチウムイオン蓄電池、情報通信技術を組み合わせて、エネルギーをマネジメントするシステムをご紹介する。新しい技術を生み出していく土壌には、大和ハウス工業創業期からのパイオニア精神があった。

2011年10月、大和ハウス工業が満を持して発売した「スマ・エコ オリジナル」。それは、戸建て住宅に太陽光発電と家庭用リチウムイオン蓄電池、独自開発したHEMS(ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)を装備したスマートハウスだ。 HEMSというのは、情報通信技術の活用によって、住宅のエネルギー管理を支援するシステムで、具体的には情報端末「iPad」などを使い、今、どれだけの電力を消費しているか、あるいは、太陽光発電によってどれだけの電力が得られているか、さらに蓄電量などを「見える化」したシステムである。

左・原田真宏(総合技術研究所フロンティア技術研究室研究員)と、右・三木靖揮(総合技術研究所研究支援センター研究員)。若き技術者が同社の未来を担う。

見える化で年間10%減らす

このシステムにより、充電と放電の時間帯をコントロールすることで経済的メリットを出すことができる。また、「見える化」による家庭での住まい手の自発的節電で、年間約10%のエネルギー使用量の削減が見込まれる。さらに太陽光発電で得られた電力を売電するといくらになるかもグラフ化され把握できる。
同社が目指すのは、「2020年までに環境負荷「0(ゼロ)」(CO2排出量ゼロ、光熱費ゼロ)となるエネルギー自給住宅に進化させる」ことであり、そのための新プロジェクトが2010年に開始された「Smart xevo Eco Project(スマート・ジーヴォ・エコ・プロジェクト)」だ。

街の街路灯も太陽光で発電

「スマ・エコ オリジナル」の電力の流れ(通常稼働時)

「スマ・エコ オリジナル」を搭載した住宅の外観

この「スマ・エコ オリジナル」は、その「進化」の第一弾となる商品であり、「一般家庭でエネルギーの自給自足を目指すには、太陽光発電などの再生可能エネルギーと蓄電池を組み合わせて、有効活用していく仕組みが欠かせない」(総合技術研究所フロンティア技術研究室・原田真宏)という。

昨年、大阪府堺市の小学校跡地での「晴美台エコモデルタウン創出事業」に採択され、CO2排出量ゼロを目指した住宅などによる街づくりにも着手、3月に販売を開始した。

「街の街路灯や集会所、さらに住民でシェアする電気自動車の電力も、街共有の太陽光発電と蓄電池により賄います。それによって、街全体が、環境負荷ゼロになることを目指しています」(総合技術研究所研究支援センター・三木靖揮)。

「スマ・エコ オリジナル」を標準装備した街並みが全国に広がれば、日本を揺るがす電力問題解決への、大きな一歩となることは間違いないだろう。

リチウムイオン電池の安全性

リチウムイオン蓄電池は、従来の鉛蓄電池やニッケル水素蓄電池と比べ高効率で長寿命なため、電池の性能を最大限に生かしながら、長時間使用することができる。反面、熱や衝撃に弱い点が、指摘されてもいた。
リチウムイオン蓄電池には「セル」と言われるバッテリー部分と制御部分がある。「セル」は燃えやすく、熱に弱い性質があるので、熱暴走すると発火する危険がある。
しかし、安全性を最重視した大和ハウス工業が採用したリチウムイオン蓄電池は、2011年8月、国際的な第三者認証機関であるテュフラインランドジャパン社の認証を世界で初めて取得したエリーパワー社の製品。
「セル」自体が、万が一衝撃を受けたり、過充電などしても発火しないように、非常に熱に強い材料を使用し、放熱しやすい構造をしているので、しっかりと安全性を確保している。屋内に設置できるのも、安全性に自信があるから可能リチウムイオン電池の安全性になったというわけだ。
現在はエネルギー自給自足を目指し、大型のリチウムイオン蓄電池も開発しており、リチウムイオン蓄電池の益々の普及を目指している。

創業期の「ミゼットハウス」にみる先進性

発売当初のミゼットハウス
(現在販売はしておりません)

プレハブ住宅の原点が「ミゼットハウス」である。この「ミゼットハウス」の登場は1959年。創業者である故・石橋信夫が「家に帰っても勉強部屋がない」という近所の子供の会話を耳にしたのがきっかけだったという。
「ミゼットハウス」は軽量鉄骨の枠組みと天井、窓付きの壁、床などがセットになった製品で、それまでの木造の「離れ」などとはまったく違う発想の建物だった。一般の家庭で購入できる価格を実現したこともあり、「3時間で建つ勉強部屋」として爆発的にヒットする。また全国27カ所のデパートで展示販売するなど画期的な販売方法も反響を呼んだ。
「ミゼットハウス」のヒットの後、「トイレをつけて」「もう少し大きく」など要望がつきつぎに寄せられ、6畳に台所とトイレがついた「スーパーミゼットハウス」(60年)、さらには初の本格的なプレハブ住宅「ダイワハウスA型」(62年)が開発された。

「住宅ローン」を可能に
大和ハウス工業には、隠れた大きな功績もある。実は、現在では当たり前になっている「住宅ローン」を先駆けて導入したのだ。
当時の銀行は、「不特定多数の個人を対象とした住宅融資制度」に、非常に慎重だった。とくに、銀行が危惧したのが、個人融資から発生する返済トラブルだった。
しかし、米国の例を引き合いに、何度も銀行を説得した結果、民間初の大規模造成地となった「羽曳野ネオポリス」の分譲販売では、住友銀行との提携による住宅資金融資制度「住宅サービスプラン」が実現した。「羽曳野ネオポリス」の住宅購入契約者には、頭金に相当する金額を一定期間定期預金してもらい、その実績に基づいて、住友銀行が契約者に融資を行ったのだ。
銀行側の最大の懸念であった返済トラブルもなかったという。これ以降、銀行も住宅ローンに積極的に取り組むことになった。
大和ハウス工業の先進性は、こうした創業以来の「パイオニア精神」が支えている。

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