大和ハウス工業株式会社

DaiwaHouse

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インクルージョンへの取り組み

第7回 D’s Diversity Forum
多様な人財が活躍するためのダイバーシティ経営の実践

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大和ハウスグループ会社が合同で実施するダイバーシティ推進フォーラム「D’s Diversity Forum」。組織におけるダイバーシティ実践の重要性を学び、参加者自らがグループ各社におけるダイバーシティ推進の牽引役となり、グループ全体の取り組みを加速させることが目的です。2013年度より始まり、第7回目となる今回は東京本社・本社あわせて400名、その他12事業所からもテレビ会議で参加。ダイバーシティ経営の重要性や可能性について考察し、今後の取り組みについて意見を交わしました。

社長訓話

ダイバーシティ経営の担い手としての自覚と行動

代表取締役社長/CEO・COO
芳井 敬一

大和ハウスグループでは今年度、ステークホルダーの皆さまに対して信頼を損ねる事態が重なり、現在、その早急な対処を進めている最中です。そこで今後、私たちが為すべきこと、大切にすべきことを4つお話しいたします。
1つ目は、法を守った上で経営を推進することです。経営は「社会の法律」と「社内のルール」の2つの法を把握し守ることで初めて成り立ちます。法律やルールを遵守する意識をグループの隅々にまで行き渡らせ、遂行する組織こそ、私たちのあるべき姿です。
2つ目は、株主の皆さま、特に当社の株式保有比率で30%を超える海外投資家が何を考え、求めているか知ることです。機関投資家やアナリストと対話する海外ロードショーでは、外国人役員や女性役員の人数を問われます。性別や年齢だけでなく、外国人も含めた全ての人が活躍できるダイバーシティ経営の推進こそ世界基準だと理解してください。

3つ目は、社員に成長の機会が大切ということです。当社グループの成長には女性が管理職として経営参画することが欠かせません。管理職は部下一人一人のメニューを持ち、例えば育児休業制度で休む間にも、復職後も必ず成長する機会を与えてください。そこに大和ハウスグループの未来がかかっています。

また、住宅展示場に足を運び、見ていると、お客様に接するのはほとんどが男性です。住宅という女性のお客さまも多いフィールドでは、営業、設計、工事の担当者全員が女性社員でも成り立つと私は思っています。そこで4つ目は、優れた観察力や他者への共感力を活かし、女性が活躍できるフィールドを増やすこと。女性であれ、男性であれ、だれもが成長できる会社であるために、今日ここに集まった皆さん自身がダイバーシティ経営の担い手となることを期待しています。

基調講演

成果につながるダイバーシティ経営の実践

立命館アジア太平洋大学(APU) 学長
出口 治明氏

人間は、見たいものしか見ない、あるいは見たいように現実を変換して見てしまう動物です。世界を見るには「タテ・ヨコ・算数」の方法論が必要です。「タテ」は歴史や昔の人の意見、「ヨコ」は世界、「算数」は数字・ファクト・ロジックです。
例えば、源頼朝と結婚した平政子は旧姓を名乗っていました。「タテ」の歴史を素直に見れば、日本は夫婦別姓の国。日本の伝統ではないと言う人は不勉強かイデオロギー上の思い込みが強い人だなとわかります。「ヨコ」の世界で見ると、OECD加盟36カ国で、法律婚の条件として同姓を強制している国は皆無です。「算数」はエビデンスと言い換えてもいいでしょう。欧米の経営に対して「日本の経営は優れている」「三方よし」と言う人がいますが、データを見れば、日本は2,000時間働いて1%成長がやっと。日本と同様に少子高齢化が進むヨーロッパは、1,500時間以下の労働時間で2%成長です。ここから引き出される答えは1つ。日本の経営がまずい、マネジメントがなっていないという回答です。

また、日本は世界一、高齢化が進んでいます。あと5年もすれば団塊世代が後期高齢者になるので、介護問題は目も当てられない状況になります。グローバルな「介護」の定義は、平均寿命マイナス健康寿命。この式からわかるのは、健康寿命を延ばす以外に介護の解決はないということです。医者30人に聞いたら答えは全員「働くのが一番だ」。であれば、日本社会がとるべき施策は、定年の廃止以外ない。定年は日本独特の慣習です。新卒一括採用、終身雇用、年功序列、定年は、高度成長と人口増加がなければ成り立たない、世界の歴史上どこにもないガラパゴス的な労働慣行です。

定年をやめたら一石五鳥です。1番目は、働いたら元気になります。老後資金2,000万円問題もなくなります。公的年金が発達した北欧のスウェーデンでは、年金広報の最も重要な目的が、働くことの重要性を訴えることです。それによって年金をもらう方から払う方に変わり、医療・年金財政が好転するのが2番目のメリットです。3番目は中高年のやる気ががぜん出ること。人生100年の時代、20歳から働けば60歳は真ん中。なぜそこで社会人人生はもう終わり、と考えるんですか。4番目に、定年をやめたら年功序列が消えるでしょう。今の時点の意欲・体力・能力に応じて人間は働けばいい。過去に何をやっていたかは関係ないんですね。5番目は労働力不足の解消です。例えばGoogleは人事部の社員データから年齢だけでなく、国籍、性別、顔写真を全て捨てています。必要なのは過去のキャリアと今の仕事、将来どんな希望を持っているかだけ。年齢や男女に関係なく、人間をとても大事にしているからGoogleは伸びている、と理解したほうがいいでしょう。

また、少子化も大変な問題です。根本の原因は男女差別。日本は先進国の中で一番男女差別が厳しい国です。先日、Facebookで共働きの若い女性の書き込みを見かけました。最近、赤ちゃんを連れて行ってもいい会社が増えているという記事を夫が読み、妻に聞いたそうです。「お前、うちの赤ちゃんを職場に連れていける?」。妻が「あなたが連れていくんだよ!」と言い返すと、夫は「え、俺が?考えたことなかった」と。育児・家事・介護は本来、女性の仕事で、それを一所懸命手伝うのが良い男性、という意識がある社会で、どうして女性が赤ちゃんをたくさん産むでしょうか。グローバルでは、社会でバックアップして、男性女性が等しくケアするのが常識です。こういった男女差別をなくすには、男女の比率を一定数に定めるクォータ制が最も効果があるとヨーロッパの経験が示しています。そういう意味では御社の女性管理職数を500人※にする目標は素晴らしいですよね。
※グループ連結の2020年度数値目標 

ちなみに現在の脳科学や心理学では、男女の差は社会的環境によって作られ、本来はほとんど差がないというのが定説です。男性は母性愛がないといわれますが、男性の場合、家族愛のホルモンであるオキシトシンは、生まれたばかりの赤ちゃんの面倒をみることで出る。つまり、家族を愛する男性に育てようと思ったら、最低2週間から2カ月、育児休業を取らせることが一番いいと科学者が言っています。アメリカでは働き方や面接、研修などの際、心理学者や脳科学者の意見を聞きます。それに対して日本では経営学者の教えがせいぜいで、ひどい会社では報連相が大事だとの精神論。これからの働き方やダイバーシティを考えるのであれば、サイエンスに基づくマネジメントがすごく大きなポイントです。

現在日本の国際競争力は落ち、世界ではGAFAやその予備軍と目されるユニコーン企業が台頭しています。こういった新しい産業を生み出すキーワードは3つ、「女性、ダイバーシティ、高学歴」。これが世界の常識です。

サービス産業の時代、全世界のユーザーは6〜7割が「女性」です。デパートのメンズ売り場はどこにありますか?世界の経済は女性が引っ張っている。日本経済を引っ張っているおじさんに女性のほしいものがわかりますか?これが、女性が頑張らなければいけない理由です。企業側に女性がいないと、女性ユーザーを惹きつけるアイデアは出ません。マーケットの構造に合わせて対応しなければ、社会も経済も伸びないのです。

また、新しいことを生むイノベーションは既存知の組み合わせです。それも距離が遠い方がいい。ラーメンにチャーシューでは近い。ラーメンにニンジンやムール貝を足した店はミシュランに載りました。そうすると「ダイバーシティ」の必要性はわかりますよね。いつも同じ会社の人と飲んでいては、新しいアイデアは生まれません。

最後の「高学歴」は勉強のことです。毎日、会社で遅くまで働いて、帰ったらメシ・風呂・寝る。これでは新しいことを勉強する意欲は出ません。脳みそに新しい情報を入れなければ新しいアイデアは生まれない。アイデア勝負の時代、大切なのは「人・本・旅」。多くの人に会い、いろんな本を読み、旅に出て刺激を受けてください。

これから日本がいい社会になっていくためのキーワードは、「タテ・ヨコ・算数」、「女性、ダイバーシティ、高学歴」です。ここから新しい働き方や生き方、新しいイノベーションや産業が生まれます。

ワークショップ

基調講演の後、少人数のグループで感想を共有し、職場での実践につなげるための意見交換を実施。出口氏への質疑応答では「高学歴」、勉強を続けることへの意欲や職場環境をより良くするためのアドバイスを求める声が上がりました。最後に、出口氏から「社会は少数派が変えていく」と力強い応援のメッセージをいただき、ワークショップを終了しました。
フォーラムの最後に、大和ハウス工業上席執行役員の能村盛隆より本日の総評を発表。基調講演やワークショップで得たキーワードや気付きを活かして、真の働き方改革やダイバーシティ経営への取り組みを進めていく決意が語られました。

参加グループ会社の取り組み

株式会社デザインアーク[インテリア・ファシリティ・建材・レンタル事業]

人事部 人財開発グループ グループ長
坂本 ゆかり

当社は女性社員比率が40%を超えています。そこで目標を比率ではなく、女性管理職を自然な形で育成することに置き、2013年度から「ワークデザインセミナーfW」を実施。管理職になる意識付けや能力の向上等の研修を続けた結果、女性管理職が開始時の1名から7名に増えました。2020年度からは新たな施策を打ち出す予定です。さらに今回のフォーラムで得た気付きを活かし、当社の取り組みを次の段階へとシフトしてまいります。

大和リビング株式会社[賃貸住宅関連事業]

執行役員 総務人事部長
秘書室長 サステナビリティ推進部長
髙野 雅仁

当社を含む企業体「大和リビングカンパニーズ」は、2019年度の重点実施事項として「インテグリティ(誠実さ)」を最優先する組織マネジメントを掲げています。社員に対しても真摯に応え、働きやすい職場をつくるため、フレックスタイム制度や育児休業制度などの環境を整備。近年は新入社員のほぼ半数が女性であり、女性管理職も次々と誕生しています。さらに多様な人財を通年採用する体制も整え、ダイバーシティの推進を図っています。

大和ハウスパーキング株式会社[パーキング・モビリティ事業]

代表取締役社長
中前 隆志(写真右)

管理本部 総務人事部 人事課 課長
田山 靖雄(写真左)

大和ハウスグループに加わった2015年から、より良い会社を目指し、性別や年齢、既婚未婚等を問わず多様な社員から意見を募り、改革に反映しています。その一環である社内横断組織「ダイバーシティ推進委員会」を中心に、2018年に「ダイバーシティ行動指針」を策定。働き方や生き方を支える制度は実態調査・分析を行い、改善や拡充を図っています。本フォーラムには全国の委員会メンバーが参加。今日の収穫を施策に活かしてまいります。

株式会社フジタ[総合建設業・不動産事業]

経営改革統括部 ダイバーシティ推進部
小笠原 悦子(写真右)

建築本部 設計エンジニアリングセンター 構造設計部 次長
三輪 若菜(写真左)

2007年に「F-net(フジタ女性総合職ネットワーク)」を組織し、女性を主軸にダイバーシティの活動を続けてまいりました。この10年で多様なロールモデルの誕生や離職率の低下など一定の成果をあげることができました。本日の基調講演では男女関係なくダイバーシティを進めるお話がありましたが、当社でもその必要性を感じております。今後は会社として何に取り組むべきかを考え、F-netの次のステップに活かしていきたいと思います。

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