TOPICS 将来に希望を持てない若者が約4割! 日本のキャリア教育の役割とは 前編

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将来に希望を持てない若者が約4割! 日本のキャリア教育の役割とは?【前編】
~なぜ今キャリア教育が必要!?~

後編:周囲のサポートで子どもたちのキャリアが花開く

2017.08.31

環境や貧困、エネルギーなど、さまざまな問題が山積している現代社会の中で注目が高まっているのが「持続可能な発展のための教育」(ESD=Education for Sustainable Development)です。ESDは、社会的課題を自らの問題としてとらえ、持続可能な社会の創造を目指す学習・活動のこと。人格の発達や自立心・判断力などの「人間性」を養い、「関わりやつながりを尊重できる個人」を育むことを重要視しています。

現代に必要とされているこのような教育の流れの中で、自らの力で生き方を選択するための能力や態度を身に付ける「キャリア教育」もまた、サステナブル社会の担い手を育むものとして不可欠です。サステナブルな社会の実現のために、子どもたちの未来のために、いまどのようなキャリア教育が求められるかをまとめました。

将来への希望を持ちにくい日本の若者たち

近年、グローバル競争の加速化や産業構造の変化、雇用形態の多様化・流動化が大きく進み、日本の子どもたちの将来の描き方に大きな変化がもたらされています。

内閣府の「我が国と諸外国の若者の意識に対する調査」(平成25年度)によると、日本の若者(満 13 歳から満 29 歳まで)のうち、『将来に希望がある』と答えた人は61.6%にとどまりました。7か国の比較で見ると、アメリカとスウェーデンは『希望がある』が9割以上、英国、韓国、フランス、ドイツも8割以上を占めていて、日本が最も低い割合でした。

出典:平成25年度 我が国と諸外国の若者の意識に対する調査 内閣府

その一因として、日本の若者の自己肯定感の低さ、明るい将来像を描きにくい世相、そして日本におけるキャリア教育の遅れが考えられます。日本では終身雇用制度が長年維持されておりジョブチェンジをしていくという慣習がなかった背景もあり、キャリア教育が盛んな諸外国に比べて、若者たちは主体的に進路を選択する能力を育む機会に恵まれてきませんでした。

キャリア教育には、生涯を通じて自分の望む仕事に就けるように能力を磨くという大きな目的があります。社会が激しく変化していく中でも、働きがいをもって仕事を続けられるように、早い段階から将来の目標やなりたい職業を考えてビジョンを持ちスキルを磨くことが、将来に希望を持つ上でも重要だといえるでしょう。

海外の学校制度と職業教育

  • アメリカ
    6~7歳から16~18歳までが義務教育期間(州によって異なる)。小学校から高校までをグレード1から12まで一貫して数えます。高校ではスクールカウンセラーがキャリアの育成に積極的に関わっており、生徒の適性やニーズを踏まえて個別に専門技術の指導やカウンセリングを実施します。
    また、1994年に「学校から仕事への移行機会法」が制定されたことで、職業生活への移行を円滑に行うためのインターンシップが普及しています。学校教育は各州で違うカリキュラムがあり、さらに州内の学校区ごとに教育方針が大きく異なるのも特徴です。
  • フランス
    5~6歳から16歳までが義務教育期間。初等教育は5年間で、中等教育は、前期がコレージュ(4年制)、後期はリセと呼ばれます。リセは大学進学を目指す普通教育課程のリセ(3年制)、および職業リセ(2~4年制)などに分かれ、どのリセを選ぶかによって将来が決まります。フランスでは1980年代からキャリア教育の強化が重要政策の一つとして打ち出されました。
    職業リセでは企業に出向いて必要な能力を身に付けることができ、卒業後に速やかに即戦力として働けるように配慮されています。
  • ドイツ
    5~6歳から16歳までが義務教育期間。4年間の初等教育修了後に、生徒の能力や適性に応じて中等教育に進学します。中等教育の前期では「ハウプトシューレ」(卒業後に職業訓練を受ける人が進学)、「実科学校」(卒業後に職業教育学校に進学、または中級の職に就く人が進学)、「ギムナジウム」(大学進学希望者が進学)を選択します。
    なお、義務教育を終えた後に就職して職業訓練を受ける人は、3年間(週に1~2日)職業学校に通学することが義務になります。他にも中等教育の後期に、職業専門学校、上級専門学校など多様な職業教育学校が設けられています。

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