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Special Interview スペシャルインタビュー サステナブルな人 シェアリングエコノミー伝道師 石山アンジュさん

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サステナブルな人 スペシャルインタビュー

私たちの暮らしを変えるシェアリングエコノミーのサービス事例
~シェアリングエコノミー伝道師 石山アンジュさん~

関連:シェアリングエコノミーとは? 〜押さえておきたい4つのポイントと新型コロナウイルス感染拡大の影響〜

2018.03.20

シェアリングエコノミーの最大の価値は人と人とのつながり

―― 石山さんが実際に体験したシェアサービスで、特に印象に残っているものを具体的にご紹介ください。

「ミールシェア」と呼ばれる領域のサービスですね。例えば、以前フランスのパリを旅行したとき、欧州を中心に人気を集めている訪問型のミールシェアサービスを活用しました。ミールシェアとは旅行者を手料理でもてなしたい人(=ホスト)と、旅先で暮らす人の自宅で食事がしたい人(=ゲスト)をつなぐサービスです。

ホストは食事を提供できる日時とメニュー、値段などを投稿します。ゲストは滞在予定の都市と食事をしたい日を入力して検索、気に入ったものがあれば申請します。こうした一連のマッチング・料金の支払いはスマートフォンのアプリ上(システム経由)で完結し、ゲストは当日、友人の自宅を訪れる感覚で食事を楽しむことができます。私もホストのご自宅に伺って、心づくしの家庭料理でおもてなしいただき、とても楽しい時間を過ごしました。

ミールシェアサービスは、訪れた国の「家庭の味」などが楽しめるのが大きな魅力だ。

※本人提供写真

海外ではこうしたミールシェアサービスが広まっていて、中国には作りすぎた料理を食べてくれる人をネット上で募集して、安価で分け合えるサービスもあるんですよ。それから、料理を作りたい人と食べたい人をマッチングするサービスもあります。

例えば、家庭料理を味わいたい独身の方が、料理の腕を振るいたい高齢の方に好きな料理を作ってもらって一緒に食べる。このようなケースでは、利用者が美味しい家庭料理を食べられるだけでなく、作り手の生きがいにもつながっています。

日本では残念ながら、個人がミールシェアサービスを提供して利益を得るのは、食品衛生法などの法律の面から難しい現状があって、普及にはいたっていません。ただ、日本に住んでいる外国人のご自宅で、母国の料理を習えるサービスがあって、国際交流を楽しむことができます。私も都内在住のフランス人のご自宅で、家庭料理を教わりました。

欧州を中心に人気を集めている、訪問型のミールシェアサービス。スマートフォンアプリでマッチングから決済までが完結するシステムになっている。

※本人提供写真

―― では、石山さんが今注目しているシェアサービスは?

1つ目は「子育てシェア」。互いに顔を知っている地域の登録者同士で保育園や幼稚園、習いごとなどの送迎や託児などを「頼り合う」サービスです。謝礼も当事者間の話し合いで決められます。

日本では都市部を中心に核家族化が進み、共働き世帯が増えています。子どもを保育園に預けたくても預けられない、待機児童の問題は非常に深刻です。しかし、ベビーシッターサービスの利用など、現在選び得る解決策は費用が高額であるという難点もあります。子育てシェアを利用して助け合うことで、待機児童問題の解決だけでなく、女性の社会参画促進も期待できます。

子育てシェアは現在、「できるだけ小さな経済的負担で、信頼できる人に一時的に子どもを預けたい」という悩みを抱える子育て世代の支持を受け、利用者数を増やしている。

2つ目は、ペットの預かり合いサービスです。旅行で自宅を留守にするときなどに、ペットのワンちゃんを地域の愛犬家の自宅に預けられます。飼育経験があって審査に通れば、自分もホストとして都合のいい日程・時間にワンちゃんを預かることもできるんですよ。愛犬家のご自宅でのびのびと預かってもらえるのは安心ですし、ワンちゃんもきっとうれしいはずですよね。

「日本発」のシェアサービスも徐々に広がりつつある(写真はペット預かりサービス)。

※本人提供写真

シェアサービスは、サービスを提供する側も利用する側も、双方にメリットがあってハッピーになれる共助の仕組みです。その最大の価値は、人と人とのつながりだと思っています。

次のページ:シェアサービス利用時のチェックポイント!

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