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暮らし

サステナブルな暮らし コラム

Let’s Try! フードロスを減らす食卓のアイデア

2016.08.30

日本で、まだ食べられるはずなのに廃棄される「フードロス」は、年間約500万~800万トンで、うち家庭からは4~5割を占めます(※1)。また、家庭における1人あたりのフードロスは、年間約15kg(※2)と試算され、大きな社会課題となっています。私たちにできることは、どんなことなのでしょうか?

  • ※1 出典:平成23年食品循環資源の再生利用等実態調査報告および本資料より算出
  • ※2 食品ロス統計調査・世帯調査(平成26年度)公表資料より算出

取材協力 青山 志穂 さん

東京都出身。大手食品メーカーに勤務後、沖縄県に移住。塩の専門店で社内資格制度の設立や人材教育・商品開発を担当。2012年に日本ソルトコーディネーター協会を発足し、独立。塩の知識と楽しさを啓蒙する活動を行っている。

世界では、人口増加や天候不順などにより、食料不足に悩む人々が増え続けています。一方、日本では家庭や食品関連事業者から、食べ残しや期限切れなどで毎日多くの食品が廃棄されています。

私たちは食料の多くを輸入に頼っていながら、大切な食料を大量に捨てているのです。配送や廃棄にCO2が発生することを考えると、環境への影響の観点からも見直すべきことです。

現状を改善するため、政府をはじめ自治体や企業にも、フードロスを減らす取り組みが広がっています。例えば、製造から賞味期限の3分の1の期間を納品期限とする「3分の1ルール」や賞味期限自体の見直しなどです。また、食品の規格外品などを引き取り、福祉施設などへ無料で提供する「フードバンク」活動も注目されています。

こうした取り組みに加え、今求められているのが私たち消費者の意識変革です。セールにつられてまとめ買いをしたり、鮮度を必要以上に気にして、食べられるものを捨てたり……ということはありませんか?

廃棄物を減らすことや、調理の工夫で食材を使い切ることなど、意識をちょっと変えるだけで今日からできることがあります。生産者や、いただくことへの感謝を日々の食卓から子どもたちに伝えていきたいですね。

ご近所でサルベージ・パーティ

家で余った食材を持ち寄り、
おいしく変身させる!

フードロス予備軍の野菜や調味料、買いすぎた加工品をみんなで持ち寄って、おいしい料理へと変身させるパーティー“サルベージ・パーティ(サルパ)”。どう調理しようかと考えることで、「こんな使い方が!」という食材の新たな魅力を引き出すことができたり、皆で食べることでよりおいしく食べることができます。

また、子どもにも一緒に考えてもらうことで食育にもつながります。ご近所で集まって、試してみてはいかがでしょうか?

サルパなら、料理のレパートリーも広がる!? 家で余った素材を持ち寄って、皆でサルパ!

保存食づくりにチャレンジ

塩のチカラを借りて保存食を作ってみよう!

食品が腐ったり傷んだりする原因は、細菌などの微生物が腐敗菌として増えることが要因です。冷蔵庫のない時代には、食料の長期保存が難しいので、「塩」を活用した食料の保存は季節や地域にかかわらず行われていました。

「なかでも塩漬けは、菌は水分がないと生きていけないので、塩の持つ脱水作用をうまく使った保存方法です」と語るのは日本ソルトコーディネーター協会代表の青山志穂さん。

ここでは、昔から保存食に活用され、今も身近な存在である「塩」を活用した保存食レシピを紹介していきます。

種類が豊富 塩を楽しもう!

塩の種類は大きく分けて4つ。海水を原料とする「海水塩」、地中で結晶した岩塩層から採取される「岩塩」、塩の湖から採取される「湖塩」、岩塩が地下水で溶かされた地下塩水を原料に作られる「地下塩水塩」があります。

味は、ナトリウムやマグネシウム、カルシウムなど含まれるミネラルのバランスによって変わります。「季節の野菜や肉、魚に数種類の塩をかけてみて、塩による食材の味わいの変化を楽しむのもおすすめですよ」(青山さん)。

recipe1 塩蓋

材料は塩と豚、香辛料だけというシンプルなレシピ。茹で汁も、旨味たっぷりのスープとしてアレンジできます。レシピは、手軽に塩抜きができる塩の量にしていますが、塩の量を増やすことで長期保存も可能になります。

材料(4人分)

豚バラ肉(塊) 500g/塩 15g/お好みのハーブ 適宜/ブラックペッパー 適宜
塩によって小さじ1杯の重さが異なるので豚肉の重量の3%の塩を使うのがポイント。

つくり方

  • (1) 豚肉はキッチンペーパーを使い、汚れと水分をしっかりふき取る。
  • (2) 1にまんべんなく塩とブラックペッパーをかけてすり込む。表面だけでなく肉がめくれる部分はめくってすり込む。
  • (3) ハーブを散らし、ラップで包む。
  • (4) 3を冷蔵庫で3~10日寝かせる。その間、ドリップ(肉汁)が出たらキッチンペーパーでふき取る(目安は1~2日おき)。
  • (5) 3~10日後、冷蔵庫から出してラップを取り、90℃程度のたっぷりのお湯で約30分~1時間しっかり茹で、塩抜きすれば完成。
ラップで包む際は、出来るだけ空気を抜きながら包むのがポイント!

食べ方

  • ★茹でた塩豚を好みの厚さにスライスして、そのままでもおいしくいただけます。
  • ★フライパンの上で、中火でじっくり焼くだけでも十分!このとき、塩豚から脂が出てくるので、油は引かずに焼きましょう。
ベーコンを使うような感覚で、さまざまな料理との相性も抜群です。

recipe2 ピクルス

料理で余った野菜はピクルスにして保存しましょう。どんな種類の塩でも合いますが、いろいろ試して自分好みの塩を探すのもオススメです。調味料をいったん火にかけることでワインのアルコールが抜けて、旨味が引き出されます。

材料

  • 残り野菜:ニンジン/きゅうり/トマト/みょうが/キャベツ/大根/パプリカ/ゴーヤなど
  • 塩(もみ込み用) 適量
  • 調味料:米酢 200cc /白ワイン 70cc/砂糖 30g /塩 5g /ローリエ 1枚/粒こしょう 6粒/鷹の爪 1本

つくり方

  • (1) 野菜を食べやすい大きさに切り、ビニール袋に入れて塩を振りかけ、しっかりともみ込み10分置く。
  • (2) 上記調味料を鍋に入れて混ぜ、沸騰させないように約5分煮たら、水気を切った野菜を清潔な保存瓶に詰め、火にかけた調味料が熱いうちに注ぎ、ふたをする。
  • (3) 冷めたら冷蔵庫で保存する。24時間後には完成。

2015年9月発行 冊子「SUSTAINABLE JOURNEY」vol.3(ecomom秋号同封)より転載

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