地域市民との共創共生「大いなる和」の精神で日本の財産を次代に継承

社会的課題 吉野山をはじめとする、全国の桜の衰退

奈良県 吉野山の桜の衰退

2008年3月末。当社に1本の電話がありました。「吉野山の桜が元気をなくしている。枯れた木を取り除き、新しい苗木を植えていかなければ、桜は衰退してしまう。創業者が吉野出身である大和ハウス工業に、支援をしてもらえないだろうか」という奈良県・吉野町からの要請でした。
奈良県吉野山は桜の名所として名高く、シロヤマザクラを中心に約3万本の桜が群生し、2004年には世界文化遺産にも登録されました。吉野山の桜は、古来、吉野山にある金峰山寺の本尊に献木されたもので、霊を鎮め神が降りてくる神聖な木として1300年以上も前から大切にされてきました。しかしながら吉野山の桜は、近年の環境変化、樹勢の衰えなどにより、今、危機的な状況にあります。そのため、当社は創業者・石橋信夫のふるさとであるというご縁もあり、2008年度から桜の保全・再生の支援をする活動をスタートしました。

日本全国の桜の衰退

吉野山の桜保全活動を進めているなかで「日本全国で寿命を迎えている桜が増えてきている」という話を知ることになりました。全国で見かける桜の多くは、寿命が50~60年のソメイヨシノであり、戦後一斉に植樹されたものが寿命を迎える時期に差し掛かっています。日本の心ともいえる桜が全国規模で衰退しているのは、社会的にも大きな問題だと感じています。
そこで、各地域に拠点を置き、地域との共生を念頭に事業活動している当社ができることはないかと考え、「桜を、つなごう」をスローガンに未来を担うこどもたちと、「桜プロジェクト」を2010年より実施しています。

大和ハウスグループの目指す未来 桜とともに「和」の心をつないでいく

桜を次世代につなぐ

吉野の林家に育った創業者は、なによりも自然を愛し、和の精神・和の文化をこよなく愛していました。日本を象徴する花である「桜」と、これまで大切に受け継がれてきた素晴らしい風景を次世代につないでいくために、吉野山の桜の調査や、現地でのボランティア活動を実施しています。ボランティア活動では、吉野に古来からあるシロヤマザクラの母樹から種を拾い、元気な苗木を育て世代交代を行っています。山肌が一面桜色に染まり圧倒的な美しさを誇る吉野山の風景を守るために、地元の方と協力し長期的な支援を続けていきます。

「大いなる和の精神」を継承し、伝えていく

吉野山の桜保全活動を通じて、桜は人の手が加わらないと美しい景観を保つことができず、手間暇がかかることを知りました。今私たちが見ている桜も、先人の絶え間ないご尽力によって築かれてきたものです。長い歴史のなかで桜は私たちに寄りそう存在であり、想いが込められた桜には人々を魅了する不思議な力があります。
先人から託されたバトンを、今度は吉野で生まれ育てられた私たちがつないでいきます。「和」の心を尊ぶ創業者のDNAは、Daiwa Sakura Aid を通じて「桜」に込められた未来への想いへ継承されています。桜を未来につなげていくことで、日本が誇るべき文化や伝統をも未来につなげていけるよう活動を続けていきます。

Daiwa Sakura Aidの理念

[活動内容] Daiwa Sakura Aid

「吉野山の桜保全活動」と、全国の小学校や幼稚園を中心に和楽器と桜の植樹を実施している「桜プロジェクト」の二つの活動を「桜」というキーワードでつなぎ、環境、文化、歴史、伝統といった「日本が大事にしてきた素晴らしい和の心」を次世代につないでいくための活動を行っています。

チャリティーコンサート
会場でさくら募金を実施

CDの制作・販売
売上の一部を桜保全活動に充当

桜の写真展
吉野の風景を写真で紹介

冊子「さくら」・「桜の教科書」発行
桜に込められた想いをビジュアル中心に編集

吉野山の桜保全活動

創業者・石橋信夫のふるさと奈良県吉野の桜を守る取り組みを、地元の支援要請を受けて2008年度から開始。公益財団法人吉野山保勝会と協働で吉野山に桜育成園を設置し、シロヤマザクラを種から育てる苗木育成事業を社員参加型で年に6回実施しています。

2015年3月までの活動実績

桜プロジェクト

全国の小学校や幼稚園を中心に、和楽器の演奏・体験と桜の植樹とを2010年度から実施しています。「本物に触れる体験」を通じて、未来を担うこどもたちに日本文化の素晴らしさと美しさを感じてもらうとともに、桜を大切に育てることで自然環境と命の大切さを伝えます。

2015年3月までの活動実績

創業60周年記念植樹

大和ハウス工業の創業者・石橋信夫は奈良県吉野郡川上村で生まれ、1955年4月5日、大阪の地に当社を設立しました。
当社創業60周年を記念し、これまで桜保全活動を続けている吉野山と、創業者の出生地であり当社にとって原点の地ともいえる川上村に、桜の苗木を植樹しました。

奈良県・吉野町

吉野町 北岡町長(写真:左)より、これまでの当社の支援に対し、樋口会長(写真:右)が感謝状をいただきました。

2010年度より開始した苗木の育成事業が6年目を迎え、当社グループ従業員が種から育てた最初の1本が、ようやく吉野山に還りました。また、陶芸家 武田 高明様より、赤膚焼による記念プレートを寄贈いただきました。

奈良県・川上村

当社は川上村と協働で、ダム建設時の地すべりに伴い立ち退いた旧白屋地区の居住エリアに「未来への風景づくり」として植樹活動を実施しています。その一角にシロヤマザクラを2本植樹しました。

従業員とともに

現地でのボランティア活動は、年々参加者が増え、当社グループ従業員やその家族の方にも協力いただき、種からの苗木育成に取り組んでいます。
1年間のサイクルを通じて、一つひとつの作業が桜の育成に結びついていることを学び、桜が元気に育つよう願いながら、苗木を1本1本丁寧に育てています。

株主とともに

2011年度より、当社の株主の皆さまからも株主優待制度による募金をいただいています。2014年度は165万8千円のご支援をいただき、現地での桜苗木育成園の保全・管理や健康な苗木育成と吉野山の桜復活のために有効活用しています。

大和ハウス工業のCSR活動に期待します

世界文化遺産にも登録されている吉野山の桜樹林が大変困難な状況に陥っていることを察知された大和ハウス工業のCSR部門の方々は、数年前から、社員・株主等全社を挙げて桜の保全、樹勢回復に御支援くださっております。御陰様で、樹勢回復への指針がほぼでき上がり、本年4月には樋口会長の御視察も叶いました。御恩に報いるにはとうてい及びませんが、私達の信ずるところ、吉野の桜は古来より日本に住む私たちの感性の具体的表象であります。
60周年を越えて世界に飛翔する大和ハウス工業の関係者の心底に「和の心」がしっかりと根づいていることを、忠心の感謝の念と共に御期待申し上げます。

公益財団法人 吉野山保勝会
理事長 福井 良盟様

桜プロジェクト 100回記念

2014年10月2日に桜プロジェクトは節目となる100回目を迎えました。 当社とSAPジャパン社が東日本大震災の復興支援活動の一環として共同で支援をしてきた宮城県亘理町立長瀞小学校で、2014年8月に新校舎が完成したことを記念して、校庭の一角に6種類の桜を植えました。
植えた桜が新しい校舎と共に、長瀞小学校の歴史を歩んでいけるよう願いを込めて、こどもたちと一緒に「おおきくなあれ」と声をかけながら土をかけました。私たちはこれからも全国の小学校に和楽器や桜を通じて、日本の素晴らしさを伝えていく活動を進めていきます。

次世代を担うこどもたちに命の大切さを伝えていきたい

2010年度から始まった桜プロジェクトは、5年目を迎えることができました。
日本全国の130校近い小学校へ和楽器の演奏と桜の植樹をしてきました。
僕たちは桜に土をかける時、小学生のみんなに声もかけています。「桜を植えるということは命を植えることだよ。木を育てるというのは命を育てることなんだよね。だから木を大切にすることは命を大切にすることだから、みんなも自分や人の命を大切にしようね」
1本の細い桜の苗木でも、いつかは大きくなり美しい花をつけるようになります。
いつの日か家族を持った小学生のみんながこの木の下で集まってくれたらステキなことだし、何かに落ち込んだ時にこの桜のことを想い出してくれたら嬉しいです。
そんな時にどこからか風にのり、太鼓や三味線、篠笛の音が聞こえてきたら本望です。
いつまでも心に残る大和ハウス工業「桜プロジェクト」でありますように、これからも次世代の日本を担うこどもたちへこの想いを伝えていきたいと思っています。

和楽器演奏者 AUN(アウン)
井上 良平様 公平様

DSAチャリティーコンサート

桜の保全・伝承を通じて「和の心」を次世代につないでいくための情報発信を積極的に行っています。当活動に賛同いただけるアーティストと共に、チャリティーコンサートを実施。2014年度は、首都圏・関西を中心に11箇所で開催しました。
また、吉野大峯世界遺産登録10周年・大和ハウス工業創業60周年を記念して2015年3月30日には、東京渋谷・Bunkamuraオーチャードホールでチャリティーコンサートを開催。1,430名の方にご来場いただきました。
DSAで実施した各コンサート会場では桜の保全のための募金活動を行い、2014年度は合計588,309円の募金をいただきました。

担当者の声

皆さまの桜への想いを受け継ぎ未来へつないでいきたいと思います

今も昔も変わらず私たちの心を豊かにしてくれる桜。地域の方、当社グループ従業員、賛同してくださるアーティストの方々をはじめ、皆さまの心のなかに「未来へ桜を残していきたい」という桜への強い“想い”があるからこそ、この活動は支えられ今日まで続けてくることができました。
皆さまの想いを受け取り、創業者の想いを受け継ぎ、“桜”を次の世代につないでいくために、これからも精力的に活動していきます。

CSR部 ソーシャルコミュニケーション室
宮川 真帆


このページの先頭へ