まちの開発

日本初、次世代のネット・ゼロ・エネルギー・タウン【SMA×ECO TOWN 晴美台(分譲済)】

特長
安心、快適、つながり、持続性、環境性
大阪府堺市

大阪府堺市にある泉北ニュータウンに誕生した「スマ・エコタウン晴美台」。大和ハウスグループとして取り組んだ日本初(※1)となるネット・ゼロ・エネルギー・タウン(※2)です。

  1. ※1 当社調べ
  2. ※2 まち全体で創り出されるエネルギーと消費されるエネルギーの1次エネルギー換算値が、創り出される方が多いまち
  • 開発面積:16,832.44m2
  • 総戸数:戸建住宅65区画、集会所1区画

開発の背景

2011年、環境モデル都市である堺市が低炭素社会の実現を目指して行ったプロポーザルである「晴美台エコモデルタウン創出事業」において、当社が最優秀提案として選定されました。
当時は、地球温暖化による気候変動や生物多様性保全などの環境問題とともに、東日本大震災による電力不足などが社会課題として顕在化しており、堺市は環境モデル都市として、市民の意識改革やライフスタイルの転換を促進していかなければならない立場にありました。
そのため、プロポーザルでの堺市からの要件は【1】環境に優しく、住環境・居住空間の快適性や生活の質を高めた住宅・低炭素街区を創出すること、【2】環境に優しいライフスタイルを確立すること、【3】泉北ニュータウン再生のモデルとなる新たなまちの魅力を提示すること、【4】環境技術の進歩に貢献すること。さらに、建設する住宅はZEH(※)であることが求められました。
大和ハウス工業は以前より、2020年エネルギー自給住宅の実現に向けて「Smart xevo Eco Project」をスタートさせており、この取り組みが堺市の求める要件と合致。当社の技術力を十分に発揮できるフィールドとして開発に着手しました。

※年間の一次エネルギー消費量が概ねゼロになる住まい。

災害への対策・対応

住宅と共用施設に、電気や水を確保する設備を導入

住宅全戸に、太陽光発電システムとリチウムイオン蓄電池(POWER iE6(パワーイエ・シックス))を搭載し、災害時の電力を確保。また、雑用水の確保として雨水タンクも備えています。
まちの共用施設である集会所と公共施設である調整池上部には、約19.6kWの太陽光発電システムを設置。集会所には14.7kWhのリチウムイオン蓄電池を設置し、停電時の集会所への電力供給に備えています。さらに、集会所では、駐車スペースで運用しているカーシェアリングの電気自動車からも電力供給できるようにし、災害時のまちの活動拠点として電力の多重バックアップ機能を備えています。
また、かまどベンチやトイレベンチを集会所に整備し、災害時に活用できるよう配慮しています。

電気自動車によるカーシェアリングの運営補助は、大和リース株式会社が実施しています。

調整池上部にある約17kWの太陽光発電システム

快適な空間の形成・維持

緑の借景をあらかじめ計画、電線類は地中化

良好な景観を創造するため、街区内からの借景として隣接の里山を眺められるように計画。また、電線類地中化によって、電柱・電線がない街路景観を形成しています。
街区内の公共部分の植栽や住宅の一部の植栽については、団地管理組合法人が定期的な剪定や施肥、消毒を一括して実施。緑豊かで良好な景観が維持できる仕組みを構築しています。

電線類地中化などの造成工事は株式会社フジタ(当時:大和小田急建設)、まちの植栽の管理は西武造園株式会社が実施しています。

「スマ・エコタウン晴美台」の電柱・電線がない美しいまち並み

人と人のつながり

住民同士のコミュニティ活動を促進

住民全員で団地管理組合法人と自治会を結成しています。それらの役員の方は毎月会合を実施しており、団地管理組合法人については年に一度は総会を開催しています。そこでは、まちの共有物の維持管理の意思決定や、コミュニティ形成の促進につながる活動を行っています。このように、住民のみなさんが主体となってまちを運営することで、住民同士のつながりが強くなり、最近では住民の方が自主的にイベントを企画したり、さまざまなサークルを作ったりするなど、さらなる良好なコミュニティが形成されています。

団地管理組合のイベントの運営等は、大和ライフネクスト株式会社がサポートしています。

「かまどベンチ」を利用して食事をつくるイベント

まちの自立

主体的な管理を実現する団地管理組合法人

自由都市として栄えた堺市の歴史を継承し、自立したまちの運営ができるように団地管理組合法人を結成しています。
しかし、このような組織を持続的に運営していくにあたって課題となるところが、運営に係る費用をどのようにして賄うかということです。
まちの共有部分に設置している太陽光発電システムで発電した電気は、共有部分で使用しますが、余った分は電力会社へ売電しています。また、団地管理組合法人は電気自動車を所有してシェアリングしており、利用する際は利用料を徴収しています。これらの売電や利用料により得た収入は、団地管理組合法人の収入として、まちの維持管理に使用し、住民のみなさんが負担する運営費用の低減を図り、持続的なまちの運営ができるようにしています。

団地管理組合の管理事務は、大和ライフネクスト株式会社が受託しています。

団地管理組合のミーティングの様子

エネルギーの効率利用

発電・蓄電、HEMSによるエネルギーの活用

戸建住宅全棟と共に、まちの共有部分にも太陽光発電システムとリチウムイオン蓄電池を導入し、再生可能エネルギーの活用とエネルギーのピークシフトを行っています。また、各住宅にHEMSを設置して、エネルギーの見える化を実現。それらのデータを集めて、まち全体のエネルギー状況の見える化や省エネルギー貢献度をランキングし、住む人の環境への意識改革を推進しています。
さらに、まちの共有物として、電気自動車を所有し、住民のみなさんが使えるようにシェアリングしています。この電気自動車には、まちの共有部分に設置した太陽光発電システムで発電した電気を充電しています。

系統連系できる定置型家庭用リチウムイオン蓄電池(POWER iE6(パワーイエ・シックス))は、エリーパワー株式会社が開発。

まち全体のエネルギーを見える化する
「SMA×ECOクラウド」

オーナー様の声

  • 購入時にスマートハウスであることは意識していませんでしたが、住んでみて結果的によかったなと感じています。実際に電気代は下がりましたね。注文住宅なら予算の制約もあるし、自分たちでここまでできなかったと思います。
  • 例えば23時から料金が安くなる時間帯を選んでお湯を沸かすなど、電気を使うタイミングを選ぶようになりました。消費電力を確認しやすいのでHEMSはよくチェックしています。仕事から帰ってくると「太陽光発電、今日もがんばったな」という気分になります。
  • 私は電柱がなくて道幅が広く、きれいなまち並みが気に入っています。子どもたちも外で遊びたがるようになりました。庭先にウッドデッキを置きたいなと思っています。

行政担当者様の声

堺市 環境局 環境都市推進部 環境エネルギー課 係長
中西 正 様

この「スマ・エコタウン晴美台」をひとつのモデルとして、家庭部門のエネルギー消費に伴うCO2排出量の削減を実証し、その成果を他の地域へ波及させていきたいと考えています。このまちは泉北ニュータウン再生のモデルの一つです。生活の質を高めた低炭素なまちづくりをはじめ、環境にやさしいライフスタイルの確立など、未来を見据えた新しい暮らしがここから広がっていくことを期待しています。

当社担当者の声

「スマ・エコタウン晴美台」は誕生以来、さまざまな賞を受賞し、高い評価をいただいております。現地には、すでに約1000名の方にご視察いただいたのをはじめ、多くの方にご来場いただき、多方面のメディアでも取り上げられ、とても嬉しく思っています。
ネット・ゼロ・エネルギー・タウンを実現する目標は、これまでの3年間(平成25年度~平成27年度)は達成できています。これからも毎年のエネルギー状況を確認し、経年による変化なども検証していきたいと考えています。
また、まちの運営は始まったばかりです。今後何十年とまちが持続していくために、住民の皆さまが主体となって、まちの運営に取り組んでいただければと思います。
私たちは「スマ・エコタウン晴美台」で培った技術や経験を発展させ、人や地域に新しい価値を提供し、そして、未来までその価値を維持し続けられるまちづくりをこれからも進めてまいります。

大阪都市開発部 企画部 企画グループ
濱崎 孝一

受賞暦

  • 第10回エコプロダクツ大賞 エコプロダクツ部門 国土交通大臣賞
  • 2013年都市住宅学会賞・業績賞
  • 第23回地球環境大賞 フジサンケイグループ賞
  • 第16回堺市景観賞
  • ジャパン・レジリエンス・アワード(強靭化大賞)2016 最優秀レジリエンス賞


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